洗濯機の寿命は何年くらい?20年も使えるの?と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では「洗濯機 寿命 20年」をテーマに、洗濯機の平均的な寿命や20年使うための条件、寿命を延ばすお手入れ方法、買い替えのサイン、長持ちする機種の選び方、そして買い替え費用の節約術まで詳しく解説します。

多くの家電メーカーが定める設計上の標準使用期間は6~7年ほどで、本体に表示されています
これは安全に使用できる目安期間で、経年劣化による事故防止のため設定されているものです。一方、実際の使用年数を見ると、平均使用期間はおよそ10年前後というデータがあります。
例えば内閣府の調査では、2023年4月から1年間に洗濯機を買い替えた世帯の平均使用年数は10.9年で、そのうち77.5%の世帯が「故障」を理由に買い替えていました。
このことから約10年使用すると故障の確率が高まると言えます。
では20年もつ洗濯機はあるのでしょうか?結論から言えば、「可能だが稀」と言えます。確かに「10~15年が一般的だが、適切なメンテナンス次第で20年以上使える場合もある。中には30年以上使えている例もある」という報告もあります
実際、同じ洗濯機を20年以上使い続けている方もいるようです。
2001年製のナショナル(現パナソニック)の洗濯乾燥機を一度モーター修理しながら20年間使用し続けた例もあり、最後まで大きな故障なく動いたという声もあります。
ただし、平均寿命を過ぎた洗濯機は故障やトラブルの確率が格段に上がるのも事実です。
メーカーの補修部品保有期間は製造終了後約6年(パナソニックの縦型は7年)と決まっており、それを過ぎると部品が入手困難になり修理できなくなる可能性も高まります。つまり、20年使うには適切な手入れと運も必要で、現実的には10年前後で寿命を迎えるケースが大半と言えるでしょう

洗濯槽やフィルターの定期的な掃除は欠かせません。洗濯槽にカビが繁殖すると悪臭だけでなく内部腐食を招き、寿命が縮まります。
使用後はフタを開けて槽内を乾燥させ、湿気をこもらせないよう換気しましょう
排水フィルターや糸くずフィルターはなるべく洗濯のたびに掃除し、最低でも週1回程度は掃除します。洗濯槽クリーナーも活用し1~2ヶ月に1回は槽洗浄を行いましょう。
定期的な清掃でカビの発生やホース詰まりを防げば、結果的に故障を減らし寿命を延ばせます。
洗濯物を詰め込みすぎないことも長持ちの秘訣です。一度に入れすぎるとモーターやベルトに過剰な負荷がかかり、故障の原因になります。取扱説明書で規定された容量を超えないようにしましょう。
また洗剤の入れすぎにも注意が必要です。溶け残った洗剤カスが蓄積すると内部にカビや汚れが発生し、洗濯槽を傷め寿命を縮めます。
適量の洗剤で適切な量の衣類を洗うよう心がけましょう。
洗濯機の設置場所や環境も寿命に影響します。直射日光や風雨にさらされる屋外に置くと本体が劣化しやすくなるため、できるだけ屋内に設置しましょう。
どうしてもベランダなど屋外に置く場合は、防水カバーをかけてホコリや雨から守る工夫が必要です。
また設置場所が不安定だと運転中の振動が大きくなり故障につながるので、水平で安定した場所に設置し、調整脚でガタつきがないようにします。湿気が多い場所もカビやサビの原因になるため、風通しを良くしておくことも大切です。
各メーカーが取扱説明書で案内しているお手入れ方法や点検頻度を遵守することも重要です。例えば「〇ヶ月ごとに○○を清掃」などの指示がある場合は忘れず実施しましょう。給水ホースの元栓は使わないとき閉める習慣を付けると、ホースや本体への水圧負担が減り劣化を防げます。
ポケットに異物が入っていないか確認してから洗濯するだけでも、機械内部への異物混入トラブルを予防できます
このように基本的な使い方を守り、定期的なメンテナンスを行うことで洗濯機の寿命をできる限り延ばすことができます。

長年使った洗濯機には、寿命が近いことを知らせる故障の前兆が現れることがあります。以下のような症状が見られたら、修理や買い替えを検討するタイミングかもしれません。
使用中にガタガタといつもと違う異音や強い振動を感じる場合、内部のモーターやベアリング、サスペンション部品などが劣化している可能性があります。正常な設置でも改善しない異常な音・振動は故障の前兆と言えます。
特にモーターと洗濯槽をつなぐベルトが劣化すると焦げたような臭いを伴うこともあり、この場合は直ちに使用を停止して修理を検討した方が安全です。
洗濯機の下や周囲に水漏れが発生するのは重大なサインです。給水ホースの劣化や接続部の緩み、内部のパッキン劣化、あるいは槽や配管の亀裂など、いずれにせよ放置できない故障箇所があります。
排水がうまくいかずエラー停止する場合も、排水ポンプの故障や詰まりなど内部不良の可能性が高いでしょう。水漏れを起こすしている場合は安全に使用できないため、早めに対処(修理または買い替え)することをおすすめします。
以前よりも洗濯しても汚れが落ちにくい、黒ずみ臭いが取れない、といった場合も寿命が近い兆候です。洗濯槽内部に蓄積した汚れやカビで洗浄力が低下していたり、機械的な摩耗で回転力が落ちている可能性があります。
またドラム式の場合で乾燥機能が弱くなったと感じるときは、ヒーターやセンサーの劣化が考えられます。これらの性能低下は徐々に進行するため見逃しがちですが、洗濯物の仕上がりが悪いと感じ始めたら要注意です。クリーナーなどでお手入れしても改善しない場合、買い替えを検討しましょう。
特に異常は感じなくても、古い洗濯機は最新モデルに比べ消費電力や水量が多く非効率なため、長く使うほど光熱費が高くなる傾向があります。
10年以上前の洗濯機と最新モデルを比較すると、電気代・水道代が大幅に異なることも珍しくありません。
毎月の電気代が以前より明らかに上がっている場合、洗濯機の劣化による稼働効率の低下や無駄なエネルギー消費が原因かもしれません。古い機種を使い続けるより、省エネ性能の高い新型に買い替えたほうがトータルコストでお得になるケースも多いです。
このほか操作パネルの反応不良や電源コードの過熱・変色、焼け焦げた臭いがする場合も非常に危険な兆候です。
とくに焦げ臭や発煙は電気系統のショートや発火のリスクがあるため、直ちに使用を中止してください。以上のような症状が一つでも出始めたら、修理可能か点検してもらい、修理代が高額だったり部品供給が終了している場合は買い替え時と判断しましょう。
寿命間近の洗濯機を無理に使い続けても、いずれ突然動かなくなったり、水漏れで床が水浸しになるなど深刻な被害を及ぼすこともあります。早めに対処することで被害を最小限に抑えられます。

買い替える際にできるだけ寿命が長い洗濯機を選ぶポイントを解説します。寿命の長い洗濯機にはいくつか共通した特徴がありますので、購入時の参考にしてください。
洗濯機自体の構造や搭載技術によって耐久性は左右されます。例えばインバーター搭載モデルはモーターの回転数を細かく制御でき、モーターへの負荷が軽減されるため従来型より壊れにくく長持ちするとされています。運転音も静かになり、長期間の使用に適した技術です。
洗濯槽についてはステンレス槽を採用したものが◎。ステンレスはプラスチックに比べて頑丈でサビに強く、表面が滑らかで汚れやカビが付きにくいメリットがあります。実際、シャープの「穴なし槽」洗濯機では槽の底裏にステンレスを使い黒カビの繁殖を抑える工夫がされており、洗濯機自体を清潔に保つことで長寿命化を図っています。
また、直接駆動するDD(ダイレクトドライブ)モーター採用機種はベルト駆動がない分、部品点数が少なく音も静かです。ベルト切れの心配がないため故障リスクが減る利点があります(ただし複雑な分故障時の修理費は高くつく場合もあるので、保証も検討しましょう)。
耐久性という点では、やはり大手国内メーカーの製品が安心です。
一般的にパナソニック、日立、シャープ、東芝、AQUA(旧三洋電機)などが「長持ちしやすい」と言われています。
実際、家電リサイクルショップの統計によると、故障が少なく耐久性が高い洗濯機メーカー第1位はパナソニックだったという報告があります。「とにかく壊れにくく安心して販売できる」と評価されており世界的なメーカーだけあって品質・耐久性の高さが際立っているようです。
他にも日立はモーター技術に定評がありパワフル&省エネで耐久性も優秀、シャープは独自の槽洗浄技術でカビを抑え清潔さを保てる点が寿命に寄与、東芝も静音性が高く使いやすいとの評価があります。
これら大手メーカー製なら大きなハズレは少ないでしょう。
長く使うには、万一故障した際の修理サービスの充実度も重要です。メーカーによって部品保有期間や修理対応年数は異なりますが、例えばパナソニックは購入後10年以上経過した製品でも修理対応可能な場合が多く、部品供給やサポート体制が手厚いことで知られています。
反対にマイナーメーカーや海外メーカー製だと、数年でサポートが打ち切られ修理できなくなるケースもあります。できれば販売店の長期保証(延長保証)にも加入しておくと安心です。実際、ユーザーからは「高機能な機種を無理に選ぶより、延長保証に入って故障に備えた方が安心」との声もあります。
5年保証や10年保証があれば、期間内の故障時に修理費用の負担を大きく減らせます。長く使いたいなら、購入時にぜひ保証内容も確認しましょう。
インターネット上の口コミを見ると「○○社の△△というモデルを○年使っているが故障なし」などユーザーの生の声が参考になります。ただし個人の使用状況によって寿命も変わるため、傾向としてシンプルな機能のベーシックモデルは故障が少なく長持ちしやすいようです。
「高機能で便利だが故障しやすいより、シンプルで壊れにくい方がいい」という考え方もあります。最新モデルは省エネ性能が高く魅力的ですが、前年度モデルが安くなっている場合は敢えてそちらを選ぶのも手です。評判の良い定番モデルを選び、しっかりお手入れしながら使えば20年近く使える可能性も十分あるでしょう。

洗濯機を買い替える際の費用面のポイントやお得に買い替えるコツを紹介します。予算に合わせて無理のない買い替えを検討しましょう。
新品洗濯機の価格はピンキリです。シンプルな縦型洗濯機なら安いもので4~5万円程度から、高性能なドラム式洗濯乾燥機では20~30万円するものもあります
リユース品(中古)の洗濯機は型落ちや年式次第ですが、1~3万円程度で買えるケースも多いです。中古を選ぶメリットは初期費用が安いことですが、購入後にすぐ壊れるリスクもゼロではありません。使用年数が浅く、状態の良い中古品を選べばお得ですが、あまり古い中古品だと結局すぐ寿命が尽きて買い替えの費用が二重にかかってしまう恐れもあります。
中古を検討する際は販売店の保証が付くか、製造から何年経過か(目安として5年以内なら比較的安心)などを確認しましょう。新品は初期費用こそ高いですが、最新モデルは省エネ性能が高いためランニングコストで差が出ます。
またメーカー保証(1年程度)が付属し故障時のサポートも受けやすい利点があります。予算と今後の使用年数のバランスを考えて選びましょう。
過去には「家電エコポイント制度」など、エコ家電の購入に対してポイント還元が行われたこともありました。
現在でも自治体や政府主導で、省エネ家電への買い替えを支援する補助制度が実施される場合があります。例えば東京都ではエアコンや冷蔵庫など特定家電を省エネ性能の高い製品に買い替えるとポイントがもらえる「ゼロエミポイント」という事業が展開されています(※洗濯機は対象外)
洗濯機単体の補助金は少ないものの、今後制度が拡充されたり、地域独自のキャンペーンが行われる可能性もあります。購入前にお住まいの地域で何らかの家電購入支援策がないか調べてみましょう。
また、家電量販店のポイントデーや決算セールを狙ったり、古い洗濯機の下取りサービスがあれば活用するなど、タイミングとサービス次第で数千円~数万円お得になることもあります。焦らず情報収集して賢く買い替えましょう。
古い洗濯機がまだ動く場合は、買取に出すことも検討しましょう。リサイクルショップや不用品買取業者に売却できれば、処分費用どころかいくらかお金を得られる可能性もあります。「買い替えるにはもったいないけど手放したい」という場合は一石二鳥です。
一般的な総合リサイクルショップでも洗濯機の買取を行っていますが、相場や年式によっては値段が付かない、もしくは極めて低額になることもあります。より高く売りたいなら、家電専門の買取業者や洗濯機に詳しい業者に査定してもらうのがおすすめです。
いずれにせよ動作品で年式が新しめであれば引き取り手が見つかりやすいので、下取りサービスやフリマアプリなども活用してみましょう。逆に故障品や10年以上前の製品は買取不可の場合が多いため、潔くリサイクル回収に出す方が無難です。
大型家電の買い替えはどうしても費用がかさみますが、例えばクレジットカードの分割払いやボーナス払いを利用したり、無利息ローンキャンペーンを使う手もあります。
新生活シーズン(3~4月)や年末年始セールでは型落ち品が安く出回るため、その時期を狙って購入するのも良いでしょう。

- 洗濯機は何年くらいで買い替えるのが一般的ですか?
- 一般的には7~10年程度で買い替える人が多いと言われています。多くの洗濯機はそれくらい使うと不具合が出始めるため、修理するより買い替えた方が得だと判断するようです。
設計上の標準使用期間(6~7年)を過ぎても使い続けること自体は可能ですが、先述のように10年を超えるあたりから故障率が上がり、部品供給も終了するため修理も難しくなってきます。音や水漏れなど寿命サインがなく快調であれば無理に買い替える必要はありませんが、購入から10年前後が一つの目安と考えて、調子が怪しくなってきたら早めに次の検討を始めるとよいでしょう。
- 寿命が近い洗濯機を使い続けると危険ですか?
- 場合によっては危険を伴います。洗濯機は水を扱う家電ですから、故障による水漏れが起きると床が水浸しになり、集合住宅なら階下にまで被害が及ぶ恐れがあります。
実際、経年劣化したホースが裂けて夜間に大量の水漏れが発生し、下の階まで浸水してしまった例などもあります。また電気部品の経年劣化でショートや発火のリスクもゼロではありません。特に古い洗濯機の電源コードが熱を持ったり変色している場合は危険信号です。
長く使った洗濯機ほどこうしたリスクは高まりますので、「動いているから」と安心せず異常を感じたら速やかに使用を中止し、必要なら専門業者に点検してもらいましょう。安全面を考えても寿命を大きく超えての使用はおすすめできません。
- ドラム式と縦型、どちらが長持ちしますか?
- 一般には縦型(トップロード)洗濯機の方が構造が単純な分、長持ちしやすいと言われます。ドラム式はヒーターやポンプなど部品点数が多く、振動も複雑で負荷がかかるため、縦型より寿命が短めになる傾向があります。
ただし近年のドラム式は各社工夫で耐久性も向上しており、日頃のメンテナンス次第では大差なく長く使えます。
ポイントはカビ対策で、ドラム式はどうしても内部に湿気がこもりやすいので縦型以上に念入りなお手入れが必要です。乾燥機能付きドラム式は便利ですが、その分故障リスクも増えるため、なるべく容量に余裕のあるモデルを選び負荷を減らすと良いでしょう。
一概にどちらが必ず長持ちということはありませんが、シンプルさで言えば縦型有利、メンテナンス次第でドラム式でも10年以上使用可能と言えます。
- 洗濯機は修理と買い替え、どちらがお得でしょうか?
- 状況によりますが、使用年数と故障内容で判断するのが一般的です。購入後まだ数年であれば、保証期間内の無償修理や有償でも部品交換で直した方が安上がりでしょう。しかし7~10年以上経過している場合、修理してもまた別の箇所が壊れる可能性が高くなります。
そのため古い洗濯機が故障した際は、修理代が新品価格の半分以上かかるようなら買い替えを検討した方が結果的に得なケースが多いです。また前述の通り古い機種は電気代も余計にかかるため、新品に買い替えることで長期的には節約になる場合もあります。
ただし「モーター交換だけで済み費用も安い」など場合によっては修理が有効なケースもあるので、見積もりを取った上で総合的に判断すると良いでしょう。いずれにせよ安全面も考慮し、無理に寿命を引き延ばそうとしないことをおすすめします。

洗濯機の寿命は一般的に7~10年ですが、正しい使い方とこまめなメンテナンスを行うことで15年、20年と長く使い続けることも可能です。フィルター掃除や適切な洗濯物の量を守るなど、日々のケアが寿命を延ばす鍵になります。
ただし、異音・水漏れ・振動の増加・洗浄力の低下などの兆候が見られたら、修理や買い替えを検討するタイミングです。耐久性の高い機種を選び、メーカーのサポートや修理対応期間も確認しておくと良いでしょう。
また、買い替え時には省エネ性能やコスト面を考慮し、補助金や下取りサービスを活用することで、経済的に新しい洗濯機を導入できます。長く快適に使えるよう、日々のケアと適切な判断で、洗濯機を活用していきましょう。