電子レンジで卵が爆発!原因と掃除法、安全な調理方法まで徹底解説

電子レンジに卵を入れたら「ボンッ!」と爆発してしまい、庫内が大惨事…そんな経験はありませんか?また、「卵は電子レンジで加熱してはいけない」と聞いたことがあっても、なぜ爆発するのか詳しく知らない方も多いでしょう。この記事では、電子レンジで卵が爆発する理由や、爆発してしまった場合の効果的な掃除方法、爆発させないための安全な加熱方法やレシピまで徹底的に解説します。

卵が電子レンジで爆発するのはなぜ?その理由とは

電子レンジは食品中の水分子を振動させて加熱します。卵の内部には黄身(卵黄)や白身に水分が多く含まれており、これらが電子レンジによって急速に熱せられると水蒸気に変わります​。

ところが卵には硬い殻と薄い膜があります。この殻と膜があるため、水蒸気が膨張しても外に逃げられず、卵内部の圧力がどんどん高くなってしまいます。​

最終的に行き場を失った高圧の水蒸気が殻を突き破ると同時に、一気に水蒸気が噴出して破裂(爆発)が起こるのです。​

電子レンジでは食品を内部から加熱するため、卵を殻付きのまま加熱すると中心部(黄身)から均一に熱せられ、黄身の水分が沸騰します​。

しかし殻と白身に包まれて密閉状態の黄身は外気より高圧になり、水の沸点も上昇した状態です​。

やがて熱膨張で内部圧力に耐えきれなくなると殻を押し破り、急激に減圧されます​。

その瞬間、黄身中の過熱水分が一気に蒸発して水蒸気爆発が発生します​。

簡単に言えば、圧力鍋のフタが急に取れて中身が噴き出すようなイメージです。

また、ポイントは卵黄を包むにもあります。黄身は薄い膜に包まれていますが、これも内部の蒸気を閉じ込める原因です​。

殻をむいたゆで卵でも、白身に包まれた黄身を電子レンジで加熱すると内部で同じ現象が起こり爆発することがあります​。

実際に「ゆで卵を短時間レンジ加熱し取り出した途端に爆発し、飛び散った卵で火傷をした」という事故も報告されています​。

殻がなくても黄身の膜が無傷の状態だと危険なのです。

電子レンジ発明の過程でも卵の爆発事故が起きたそうです。マイクロ波加熱試験中に卵が爆発し、開発者が卵まみれになったという逸話もあります。​

また、電子レンジ加熱は短時間で卵内部を100℃以上にしてしまうため、圧力が急上昇し爆発します。一方で鍋で茹でる場合は卵内部の温度が100℃を超えないので爆発しない、という指摘もあります​。

要するに電子レンジは加熱スピードが速すぎて蒸気の逃げ場が追いつかないのです。

以上のように、「殻と膜で密封された卵内部の水蒸気が急激加熱で膨張し、逃げ場を失って殻を破り爆発する」ことが、電子レンジ卵爆発のメカニズムです。

これは卵以外にも、ソーセージや栗、銀杏など薄い膜や殻に包まれた食材でも起こり得る現象です​。電子レンジ加熱する際、こうした食材にはあらかじめ切れ目を入れるなどして蒸気の逃げ道を作る必要があります​。

爆発するとどうなる?実際の惨状と事故例

東京都の消費生活サイトによれば、「ゆで卵を短時間レンジ加熱し、取り出した途端に爆発して手に火傷」「目玉焼きを温め直して口に入れたら破裂し、唇と歯茎を火傷した」というケースも報告されています​。電子レンジ内で爆発しなくても、取り出した後に衝撃を与えると破裂する危険があるのです。

このように、電子レンジで卵を爆発させてしまった人は後を絶ちません。「一度ならず繰り返してしまった」という声もあり、「レンジごと捨てたい…でも捨てられない」という嘆きもSNS上に見られました​。

爆発の威力で蓋が開いて周囲に飛散することもあり、大変危険です。運よく怪我が無くても、レンジ内外の掃除がとても大変ですので、やはり電子レンジで卵を加熱するのは極力避けるべきでしょう。

とはいえ、うっかり爆発させてしまうこともあるもの。もし電子レンジ内で卵が爆発してしまった場合、どのように掃除すれば良いか、次の章で詳しく解説します。

卵が爆発したときの電子レンジの掃除方法

用意するものと事前準備

爆発直後はレンジ内も卵も大変熱くなっています。まずレンジの電源を切り、扉を開けてしばらく放置し、内部を冷ましてください。火傷防止と、電子レンジの誤作動防止のため、電源プラグも抜いておくと安心です。卵の殻の破片が飛び散っている場合もあるので、ゴム手袋などを着用すると安全です。

準備ができたら、以下の道具を用意しましょう。

  • キッチンペーパー(または柔らかい布)
  • 耐熱容器(ボウルやマグカップなど)
  • アルカリ性の洗剤または洗浄液(後述)

洗剤については、市販の電子レンジ用クリーナーがあればベストです​。

スプレータイプやシートタイプのレンジクリーナーは各種販売されています。ただ、「食品を扱うレンジに強い洗剤は使いたくない」という方も多いでしょう。その場合は、アルカリ電解水スプレーがおすすめです。​

アルカリ電解水とは、水を電気分解してアルカリ性にしたもので、界面活性剤不使用ながら油汚れやタンパク質汚れを分解する力があります​

卵の主成分であるタンパク質を効果的に分解し、さらに消臭効果もあるため、レンジ内の清掃に最適です​。

家庭向け商品では「セスキの激落ちくん」などアルカリ電解水クリーナーが有名です​。

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他にも重曹(炭酸水素ナトリウム)やセスキ炭酸ソーダを水に溶かしたものでも代用可能です。​弱アルカリ性の液体があればOKです。

電子レンジの掃除の手順

準備が整ったら、次の手順で電子レンジ内をきれいにしていきましょう​。

大きな殻や固形物を取り除く

まず、レンジ庫内に飛び散っている卵の殻やかたまりを手やキッチンペーパーでそっと取り除きます(焦って擦り付けないよう注意)。ターンテーブル皿がある場合は取り外し、皿や回転軸についた卵も拭き取っておきます。

耐熱容器に入れたキッチンペーパーに洗浄液を染み込ませる

耐熱ボウルやマグカップにキッチンペーパーを数枚重ねて入れ、先ほど用意したアルカリ電解水(または重曹水など)をキッチンペーパー全体がしっかり湿る程度にたっぷりと染み込ませます。

レンジで加熱して蒸気を行き渡らせる

容器にラップはかけず、そのまま電子レンジに入れて約3分間加熱します​。アルカリ洗浄液を含んだペーパーから蒸気が発生し、庫内全体に行き渡ります。汚れに熱と湿気が与えられて柔らかくふやけ、落としやすくなります。

湿ったペーパーで拭き取る

加熱が終わったら(容器が熱いので注意)、レンジ内に入っているそのペーパーを使って、庫内の汚れを隅々まで拭き取ります​。天井や側面、扉の内側、ゴムパッキンの溝、通気口の網部分まで、卵の飛び散りを残さず丁寧に拭きましょう​。汚れがひどい箇所はペーパーを押し当て少し時間を置いてから拭います。ペーパーが汚れたら新しいペーパーに洗浄液をつけ直し、レンジで加熱し、庫内を拭き取るという作業を何度か繰り返してください​。

清掃後は庫内をしっかり乾燥させる

清掃後は庫内をしっかり乾燥させ、取り外したターンテーブル皿も洗って元に戻します。きれいに掃除さえすれば、卵が爆発した後も電子レンジはそのまま使い続けられます。

以上で大部分の汚れはきれいに落とせるはずです​。

アルカリ電解水を使った場合は二度拭き不要の商品が多く、拭いた後に水拭きで洗剤を拭き取る手間もありません​。

仕上げに庫内を乾いた布で空拭きしておくとベタつきも残らず安心です。

卵の生臭さや硫黄臭が気になる場合も、アルカリ電解水には消臭効果もあるためかなり軽減されます​。

それでもまだ匂うときは、酢やレモン汁を数滴垂らした水を耐熱容器に入れて再度レンジで数分チンし、しばらく庫内に蒸気を充満させてから扉を開けて換気するとよいでしょう。柑橘の皮をチンして置いておく方法や、活性炭や重曹をしばらく庫内に置いて匂いを吸着させる方法も有効です​。

​汚れは時間が経つほど落ちにくくなります​先延ばしにすると完全に固着してしまうことも…。レンジの古い焦げ付き汚れを放置していたら、ある日オーブン使用中に焦げ臭い匂いとともにバチッと火花が出たという報告もあります。​そうなる前に、その日のうちに掃除する習慣をつけると良いでしょう。

掃除するときの注意点

電子レンジ内を掃除する際にはいくつか注意すべきポイントがあります。

庫内に汚れを残さない

最大の注意点は、レンジ内に卵の飛び散りや汚れを絶対に放置しないことです​。汚れを残したまま電子レンジを使うと、加熱時にマイクロ波が汚れにも分散してしまい、食べ物への熱効率が下がります。さらに残った卵汚れから雑菌が繁殖して悪臭の元にもなりますし、焦げ付きが進むと発煙・発火のリスクさえあります​。事故や故障につながりかねませんので、飛び散った卵は徹底的に拭き取りましょう。​

汚れは庫内の天井・側面・床面(ターンテーブル下)・扉の裏側・ゴムパッキンの溝・通気口の網目など、思わぬ所にまで付着しています​。見落としがちな部分も忘れずきれいにします。溝や網目に入り込んだ黄身は取りにくいですが、爪楊枝や綿棒に洗浄液を染み込ませてかき出すと効果的です。

直接スプレーしない

洗浄液を使う際、レンジ庫内に直接スプレー噴射すると液が機械内部に入り故障の原因になります​。必ず布やペーパーに一度吹き付けてから拭きましょう。電子部品が露出している部分も水気は厳禁です。

研磨剤は使わない

卵のこびりつきがひどくても、金属たわしやクレンザーなど硬い研磨剤でゴシゴシ擦るのは避けましょう。レンジ内壁のコーティングが剥がれ、サビや故障のもとになります。上記の蒸気でふやかす方法で大抵は落ちますし、どうしても落ちない焦げはメーカーへの相談がおすすめです。

卵を電子レンジで安全に加熱する方法

卵の電子レンジ調理はリスクが高いですが、「できれば電子レンジで手軽に加熱したい」という場面もあるでしょう。ここでは卵を安全にレンジ調理するコツ爆発させないための工夫を紹介します。ただし、電子レンジの取扱説明書で禁止されている調理法は避け、あくまで自己責任で慎重に行ってください。

卵に「穴」や「隙間」を作る

絶対に避けるべきは、卵を殻付きのまま丸ごと加熱することです。どうしても電子レンジで加熱したい場合は、殻を除くか殻ごと穴を開ける必要があります​。

また、生卵だけでなくゆで卵や半熟卵、目玉焼きなど一見火が通っているものでも黄身が丸ごと残っていれば危険です​。黄身には必ず穴をあけましょう。

  • 殻付き生卵: 殻に小さな穴を開けても黄身が丸のままでは膜が残るので爆発する可能性が高いです​。基本は殻を剥いて使用しましょう。
  • 殻なし生卵: 器に割り入れたら黄身を楊枝やフォークで数か所刺して膜を破ることが必須です​。黄身を軽くかき混ぜておくのも効果的です。
  • ゆで卵: どうしても温めたい場合は殻を剥いた上で黄身を取り出すか砕く必要があります。白身に包まれた黄身が爆発する恐れがあるので、。必ず殻を剥いてから卵を半分や四等分に切って黄身を露出させてください​。丸ごと再加熱は厳禁です。
  • 温泉卵・半熟卵: これも黄身が流動状で膜ありのケースが多く危険です。割って器に出し、黄身に穴をあけてから短時間加熱しましょう。
  • 目玉焼き: 黄身が固まっていない状態であれば、黄身部分にフォークで穴を開けてから温め直してください​。もしくは黄身と白身を一旦切り分けてから加熱すると安心です。

このように、卵黄の膜を破って蒸気の逃げ道を作るのが爆発予防の鉄則です​。

料理研究サイトのアドバイスでも、卵やタラコ・ウインナーなど膜に覆われた食材は、電子レンジで加熱する際にあらかじめ割ほぐすか切れ目を入れるよう推奨されています​。

スープやカレーにゆで卵を丸ごと入れて温めたい時も、一度取り出して切ってから戻す方が安全です。黄身が露出していれば爆発の危険はかなり抑えられます。

安全にレンジ調理できる卵料理アイデア

電子レンジで比較的安全に調理できる卵料理のレシピをいくつかご紹介します。いずれも卵をそのまま加熱しない工夫がされています。

レンジで簡単スクランブルエッグ

最も安全なのは卵を溶きほぐして加熱する方法です​。マグカップや耐熱ボウルに生卵を割り入れ、しっかりと溶きほぐします(牛乳や少量のマヨネーズを混ぜるとふんわり仕上がります)。黄身と白身が完全に混ざった状態なら爆発の心配はほぼありません。

ラップをふんわりかけて(またはラップなしで)電子レンジで加熱します。500W~600Wなら様子を見ながら30秒~1分程度加熱し、一度取り出して全体をかき混ぜます。まだ生っぽければ再度20秒ずつ追加加熱し、その都度かき混ぜます。これでしっとりとしたスクランブルエッグが完成。

ポイントは途中で混ぜることで、均一に火を通しつつ過熱しすぎを防ぐことです(過熱しすぎると固くなるので注意)。

電子レンジでポーチドエッグ

耐熱カップに水を約100ml注ぎ、小さじ1程度の酢(または塩ひとつまみ)を加えます。ここに生卵を静かに割り入れ、黄身に楊枝で一か所穴を開けておきます。黄身に穴を開けることで爆発を防止します​。

ラップはせず、そのまま電子レンジ600Wで約50秒~1分加熱します。白身がほどよく固まったら取り出し、穴あきスプーン等ですくい上げて出来上がりです。

半熟の黄身がとろりとしたポーチドエッグが簡単にでき、サラダやパスタに乗せたり、トーストに添えたりと活用できます。

※水が少なすぎると加熱ムラが生じるのでカップの水は卵が十分浸る量を入れてください。また、酢を入れると白身が固まりやすく形が整いやすい効果があります。

③レンジで作る簡単オムレツ

耐熱ボウルやマグカップに卵を割り入れ、牛乳・塩・胡椒と一緒によくかき混ぜ、小さめに切った具材を加えます(冷凍のままでもOK)。

ラップをふんわりかけ、電子レンジ600Wで30〜40秒加熱する。一度取り出してかき混ぜ、再度20〜30秒加熱(様子を見て追加)。全体が固まったら完成です。

④レンジで茶碗蒸し風

ボウルに卵を割り入れ、よく溶いておく。水とだしを加えてよく混ぜ、ザルでこします。

耐熱容器に具材と卵液を注ぎ、ラップをふんわりかけ、電子レンジ200Wで3〜4分加熱します。

表面が固まっていれば完成です。

重要なのは卵黄を密閉状態で加熱しないことであり、この原則を守ればある程度安全に調理可能です。ただし完全にリスクがゼロになるわけではありません。​

​絶対に爆発させたくない方は、電子レンジ以外の調理法(茹でる・焼く)を選ぶのが無難とも言えます。

日頃からできる電子レンジの汚れ防止のコツ・安全対策

電子レンジを長く安全に使うための日頃のメンテナンスや汚れ防止のコツを紹介します。卵に限らず、電子レンジ調理全般に役立つポイントです。

ラップやレンジ用の蓋を活用する

調理の際は食品にラップをふんわりとかけたり、電子レンジ用のカバー(プラスチック製のドーム状蓋)を被せたりして加熱しましょう。吹きこぼれや飛び散りを防止でき、庫内が汚れにくくなります。卵料理の場合も、溶き卵を加熱する際はラップをふわっとかけておくと万一の飛び跳ねを防げます(※密閉はせず端を少し開けて蒸気を逃がす)。

加熱しすぎに注意する

卵に限らず、電子レンジは指定時間より短めに一旦止めて様子を見るのが安全です。特に初めての食品を加熱する時は少しずつ様子見しながらの加熱を心掛け、予想外の沸騰や破裂を防ぎましょう。電子レンジは加熱しすぎると食品が発火する危険も指摘されていますので(ポップコーン等で例あり)、タイマー設定には注意が必要です。

使用後はすぐひと拭き

調理後、庫内の天井や皿に飛び散ったものがあればその都度拭き取ります。特にタンパク質や油汚れは放置すると焦げ付き、悪臭や故障の原因になります。「今日は大丈夫かな?」と思っても、積み重なった汚れがある日突然トラブルを起こすこともあります​。「チン」のついでにサッとひと拭きを習慣にしましょう。

定期的に蒸気洗浄

重曹水やレモン水を使ったスチーム清掃を定期的に行うと、庫内のこびり付きを柔らかく落とせ、臭いもリセットできます。市販の「レンジ用お掃除シート」などを月1回でも使えば、ひどい汚れの蓄積を防げます。庫内だけでなく外側や扉の縁も拭いて清潔に保ちましょう。

以上のような日常ケアで、電子レンジをクリーンかつ安全に使い続けることができます。

まとめ

電子レンジで卵を爆発させてしまう原因は、卵の殻や黄身の膜が水蒸気を閉じ込め、内部の圧力が限界まで高まることで、破裂=爆発を引き起こしてしまうため。

もし爆発してしまった場合は、すぐに電源を切って安全を確保し、アルカリ電解水や重曹などで汚れを蒸気洗浄しながら、丁寧に掃除することが大切です。飛び散った卵を放置すると、悪臭や故障の原因にもなります。

そして何より重要なのは、「もう二度と同じ失敗を繰り返さないこと」。そのためには以下のポイントが非常に効果的です。

・卵はそのまま加熱せず、必ず殻をむく・黄身に穴をあける・溶き卵にする

・ゆで卵や目玉焼きの再加熱時も黄身をカットする・潰すなどの工夫を忘れずに

レンジ対応レシピを使えば、手軽かつ安全に卵料理が楽しめる

・日常的な電子レンジの清掃とメンテナンスもトラブル予防に役立つ

電子レンジは便利ですが正しい使い方を守らないと事故につながります。今回ご紹介した知識を踏まえて、安全に電子レンジ調理を楽しんでください。万一失敗しても掃除法を思い出して対処すれば大丈夫。​

綺麗にリセットして、今後は賢く電子レンジを活用していきましょう!

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